高度情報処理技術者を専門外&業務未経験者が目指した結果

2019年勉強開始、独学です。過去の家づくりや家電記事もおまけに残してあります。

セキスイハイムの工場見学に行ってみた(抽選会の応募条件)

セキスイハイムの抽選会応募資格として、工場見学に行く必要があります。

抽選に外れても家をセキスイハイムで建てる可能性は考えられますので、しっかりと話を聞いてきました。

 

目次

 

前半は製造現場の見学は好印象

工場見学はまず7時半にモデルハウスに集合し、バスで1時間移動です。

集合場所にはバスが数台停まっており、既に100名を超える参加者がいました。

これが全員抽選会参加者だと思うと、とても当たる気がしませんね。

 

浜松市の一部でこの人数なのですから、静岡県全体では1000組は優に超えそうです。


そして話を聞くと、どうやら半数以上がリピーターのようでした。

年齢が上の方の割合が高く、私のような若い夫婦や小さな子ども連れの方は全体の3割程度でしょうか。

 

基本的にはご夫婦揃って参加してくださいと言われていましたが、お友達と一緒に来ていると思われる60代らしき女性のペアや、一人で参加している40〜50代くらいの女性もちらほら見かけました


工場に到着した後、私のグループはまず併設している提携各社のキッチンとお風呂のショールームに向かいました。

じっくり見たかったのですが、今回は工場見学がメインでスケジュールが決まっているとのことで、15分程度しか時間がありませんでした。


次に10分程の「優れた耐震性」という趣旨の動画を見てから、見学スタートです。

 

工場の入り口には、現在製造している家の施主一覧がボードに貼られていました。

全部で15枚以上はあったと思いますが、そのうち1枚だけパルフェで、残りは全てハイムbjだったのが印象的です。

やはり私以外の多くの方も、パルフェでは金額的に手が出ないということなのでしょうか。


工場に入ってすぐ、枠組み(ユニット)の説明が始まりました。

 

「セキスイハイムの鉄骨は通常より厚みをもたせてあって強い、木造やコンクリートに比べて経年劣化が無いに等しい(100年経っても大丈夫)」

という話でしたが、このあたりは他のメーカーにも話を聞いてみないと何ともわかりません。

 

次は断熱材の説明です。高気密高断熱を謳っている現代の家において、無視することはできない材料の一つですね。

大手ハウスメーカーでNo.1を謳っている一条工務店で、独自開発のウレタンフォームがグラスウールに比べていかに優れているかという話を以前聞きました。

これに対して、セキスイハイムは鉄骨の隙間にグラスウールを敷き詰めていましたが、説明は以下の通りです。

 

  • グラスウールが他より劣る材料としてよく比較対象に選ばれるが、これは大きな誤解
  • 同じ価格で比べたとき、グラスウール自体の断熱性能は他の材料より高く、コストパフォーマンスに優れている
  • グラスウールが悪いといわれてしまうのは、水分を含んでしまった場合のみ
  • 弊社は工場でユニットを作るから天候が雨でも関係なく、水分を含む心配がない
  • セキスイハイム工場では施工者も楽な体勢で作業でき、チェック体制も充実しているので施工ずれも生じない


なるほど、工場生産のメリットを最大限活かしているわけですね。

 

これ以外の床貼りや壁貼り等の作業も、工場内では大型の機械によってユニットそのものを縦横無尽に回転できる(ユニットをひっくり返して天井を下にして作業できる)ので、手作業部分のクオリティが非常に安定している、という説明が随所にありました。

 

ユニット単位で電気等の配線類の通り道がしっかり確保されているので、現場での施工も楽だと言います。


工場見学ではそれぞれの作業工程で1分程の動画が用意されていて、外壁材やシーリング材等の展示物もあって完全に見学仕様でした。

 

実際に今製造しているユニットが置かれているので、枠組みだけだったものに断熱材が敷かれ、床と壁が貼られ、外壁が貼られ、ドアや窓が取り付けられ、キッチンが配置され、と徐々に施主の拘りが見えてくる様はとても面白かったです。


何度も見学会に参加しているらしき人は退屈そうにしていましたが、私たちにとっては新鮮で、抽選会に外れてもセキスイハイムで家を建てたいなぁと思うようになりました。

抽選権利の条件になっているのも納得です。

 

 

断熱材がグラスウールではダメ?

先程のセキスイハイムの説明で、「同じ価格で比べたときは」グラスウールのほうが優れているという説明に少しひっかかりました。

これは、

「同じ面積に他社の独自断熱材とグラスウールを敷き詰めるとき、100万円で他社断熱材は厚み10cmしか敷き詰められません。しかしグラスウールなら厚み30cmで敷き詰められます。このとき、断熱性能はグラスウールのほうが高いのです!」

と言っているのと同義です。

つまり

「同じ厚みで比べたときはグラスウールの断熱性能が劣っている」

ということですよね?

 

 

こういった曖昧な表現はやめて、もう少しちゃんと、現実に則した説明してほしいですよね。

 

 

こんなことを書きましたが、私はグラスウール賛成派です。

 

セキスイハイムの言う通り、グラスウールはコストパフォーマンスに非常に優れており、実際は安くて厚みを稼げるグラスウールのほうが断熱性能が高くなると考えています

他社のモデルハウスや完成見学会でグラスウールが問題を起こしているという写真を見せて頂きましたが、どれもカビていたり、施工不良でずり落ちていました

こういった他社のアピールも、逆に考えれば

「正しい施工と壁内環境を用意出来れば、グラスウールで問題ない」

と言っているように感じていました。

 

このあたりを調べていたら、岩手県のハウスメーカーのホームページにこんなものも見つけました。

www.mokusei-kukan.com

 

つまり、どんな素材であれ施工者の誠意と技術によるというわけです。コストや施工のしやすさを考えるとやはりグラスウールが一番ではないかと私は思います。

 


後半の体感コーナーは正直あまり良くなかった

一通り工場見学が終わると、次は地震体験と外壁耐久実験、構造落下実験の見学です。

 

ここにはホットドッグとカキ氷も用意されていました。

 

地震体験は、阪神淡路大震災と同程度の揺れを体験してみようというものでしたが、これは小学生のときに地震体験車で一度やったことがありました。

何かに掴まっていないと立っていることができませんよね。

特別新鮮な体験ではありませんでしたが、地震は怖いなぁと再認識するには十分です。

 

次はセキスイハイムの外壁材と一般的な外壁材を用意して、鉄球を落下させる&ガスバーナーで炙る実験です。

台風で隣家から屋根瓦が飛ばされてきたり、隣家が家事になってもらい火の被害を受けたりしても大丈夫ということでした。


落下実験は枠組みだけのユニット(何トンもあるらしい)をクレーンで3m程吊り上げて、ドスンと落とし、落下前後で構造の歪みがないか対角線の長さを測って確認していました。

 

 


これらのデモンストレーションについては色々と思うところがありました。

 

外壁の耐久試験については

「その被害に合う(台風で近隣から瓦が飛んできて直撃する)確率的に、そこにお金をかける価値がどのくらいあるのか」

というのが見えてきませんでしたし、落下試験については昔の「VOLVOの車を上(崖)から落とすCM」を見ているようで、実験そのものの有効性が良くわかりませんでした。

 


まず外壁の耐久実験についてですが、本当に外壁の強度や耐火性能が必要だというのであれば、具体的なイメージができる工夫がほしいですよね。

毎年の台風でどのくらいの外壁被害があるのかとか、もらい火での火事被害は毎年どのくらいあるのか等々、例として挙げるならば


「台風や強風で静岡県では年間xxx棟の外壁被害があって、浜松は風が強いので年間yyy件と特に多いです。おおよそ、30年以内にこういった被害に遭う確率はzz %もあるんです。」


「住宅の密接地区では火事が起きたとき、隣家がもらい火の被害に合う確率はaa %以上です。あなたはお隣さんのことを良く知っていますか?その人が火の始末をちゃんとしていると確信できますか?」


といったレベルで良いので、説明に具体性が欲しかったと思います。

 

具体的な数値とまではいかなくても、工場見学のときは動画を見て「上を向いて釘打ちするより下を向いて釘打ちしたほうが絶対楽だし、品質が安定するよなぁ」というのが感覚的に伝わってきたので、同じような工夫をして頂けると良いです。


瓦を糸で吊るして、振り子運動を使って台風で飛んでくるような速度にして壁にぶつけたり、火事を想定して15cm横で焚き木をして放っておいたり・・・そんな実験のほうがまだ実感は湧きます。

 

「こんな簡単に壊れちゃうんだ」「こんな簡単に焦げちゃうんだ」と思わせて欲しいです。そういうことはその場でやるのが難しいなら動画でも良いと思います。

 


正直に申し上げて、落下実験は耐久実験以上に何を伝えたいのかわかりませんでした。


「3階建ての場合、一番負荷のかかるユニットには上にbbトンという重さが乗っています。この状態で震度7の横揺れが起こると、ユニットの角部分にはccメートルからユニットを落下させたときと同じだけの衝撃が加わるのです。今からその状況を実際に作って、擬似的に震度7の揺れに対する強さを検証してみましょう!」


というパネルを一枚用意しておいてくれると嬉しいです。


「こんなに頑丈なんで地震にもばっちりです」
的なことを言っていましたが、
「こんなにってどんなに?」
という話です。はっきり言って全然わかりませんでした。

単純に重いものが落下する振動と音を楽しむものだと言われてしまえばそれまでなのですが・・・

 


また今回の工場見学の間に、何度か東日本大震災を例に挙げて

「東日本大震災は想定外と呼ばれる地震規模で、今までの常識では対応できませんでした。しかし想定外という言葉で、人命が奪われる結果に言い訳してはいけません。東海大地震が予測されているこの地域においては、出来る限りの対策をして災害に備えるべきです」
という話をしていました。

言いたいことはわかりますが、そんなことはこちら側も十分承知しています。それでも予算の問題で、妥協点をどこかに置かなければならないわけです。


いつも思うのですが、耐震性のアピールをするときに
「阪神淡路大震災で半壊全壊ゼロです」
「東日本大震災で半壊全壊ゼロです」
「熊本地震で半壊全壊ゼロです」
と、どのメーカーでも鉄骨系なら同じことを言っています。


そういった受け身のアピールではなくて、
「きちんと地震規模を想定して耐震性を決めています。そのため震度7で本震1回、余震1回までは絶対半壊しません。半壊したら全額補償します」
くらいの攻めのアピールが聞いてみたいものです。


このあと帰りのバスでお弁当を頂いて昼過ぎに解散でした。


総評として、今回の工場見学は前半の工場見学が◎、後半の体感実験が△でした。全体としては行って良かったです。

特に工場生産の現場を見たことで、こういった家の作り方も良いなぁと思うようになりました。