高度情報処理技術者を専門外&業務未経験者が目指した結果

2019年勉強開始、独学です。過去の家づくりや家電記事もおまけに残してあります。

住宅設備メーカー比較「お風呂編」

前回記事ではキッチンで比較しましたが、今回はお風呂で各メーカーを比較してみます。キッチンに比べると個性を出しにくいので、前回記事より簡潔にまとめます。

 

目次

 

基本的な機能は各社似たり寄ったり

お風呂はキッチンとは異なり、万人が求める要素は非常に限られています。

  • お手入れのしやすさ
  • 快適さ
  • デザイン
  • 面白機能

基本的にはこの4要素しかありません。そして、上述の2項目に関しては、各社でネーミングは異なっても、似たような機能を提供しています。

床がひんやりせず、手入れも簡単=

ほっカラリ床(TOTO)、スミピカフロア(パナソニック)、温クリンフロア(ハウステック)、キレイサーモフロア(LIXIL)、うつくしフロア(トクラス)etc.

 

排水口の手入れを軽減=

クリンヘアキャッチャー(クリナップ)、くるりんポイ排水口(LIXIL)、ささっとキレイ排水口(パナソニック)、楽すてヘアキャッチャー(ハウステック)etc.

 

お風呂が冷めにくい=

パーフェクト保温(タカラスタンダード)、 魔法びん浴槽(TOTO)、保温浴槽Ⅱ(パナソニック)、高断熱浴槽(クリナップ、ハウステック)、サーモバスS(LIXIL)etc.

 

使用する水の量を減らす(エコ)=

エアインシャワー(TOTO、トクラス)、新W節水シャワー(パナソニック)、エコフルシャワー(LIXIL)etc.

 

といった感じです。ネーミングされていないので載せていないだけで、どのメーカーにも似たような機能があります。隅がカビないような工夫だとか、ゴムパッキンの工夫だとか、そういった細かいところまでどのメーカーでも似たようなオプションを用意しています。

 

となると、決め手は「デザイン」「面白機能」となります。

しかしデザインについては各人の感性によって良し悪しが分かれるので、端的に評価するのは無理があります。しかも、ハイグレードであれば各社で個性的なデザインを提供していますが、ミドルクラスまではどのメーカーでもデザインに大差がないというのが私の印象です。是非ホームページやショールームで見比べて欲しいと思います。

 

そこで、この記事では最後の項目「面白機能」に着目して紹介していきます。あまり差別化しにくいお風呂においては、この面白機能が意外と決定打になるかもしれません。

 

 

素材に個性が光るメーカー2社

1社目はタカラスタンダードです。やはりホーローという素材だけで他社との差別化は十分でしょう。浴槽も鋳物ホーローという素材を用意していますし、他社にはないカラーステンレスという選択肢もあります。一昔前まで主流だったFRPや、現在の主流であるアクリル系人造大理石まで用意しているので、浴槽のデザインだけでなく素材から選べるというメーカーはタカラスタンダードくらいしかありません。

 

しかし浴槽にホーローやカラーステンレスを選択するメリットがあるのかというと、悩ましいところがあります。 

ホーローは鉄の上にガラスがコーティングされた素材ですから、光沢感があって人大やFRPの浴槽よりもずっと高級に見えるでしょう。お風呂においては鍋や食器を落とす等ということは考えられませんから、滅多なことではガラス質にヒビが入ってしまい、内部の鉄が錆びてきてしまうということはないと思います。ガラス質なので薬品耐性が高く、汚れや臭いにも強いです。

しかも金属製のタワシでがしがし洗っても大丈夫ですし、バーナーで炙っても問題ありません!(そんな状況はないと思いますが)

カラーステンレスのメリットもほとんど同じで、耐久性が高く、汚れや臭いに強いです。

 

さて、ホーロー浴槽の最大のメリットは光沢感から来る高級感です。耐久性や汚れや臭いに強いといったメリットも素晴らしいのですが、コストを考えた場合は敢えて選ぶほどの魅力ではないようにも思います。毎日掃除して、新品同様のピッカピカになる浴槽を見て、毎日幸せを実感できるという方であれば是非ホーローを導入すべきでしょう。(床やパッキン部分、排水口等はどうしても経年劣化で汚れていくでしょうが、ホーローであれば浴槽だけは新品状態を半永久的に維持出来るかも知れませんね)

ホーローやステンレスのデメリットは重いことです。2階には設置するべきではありません。何かトラブルがあって交換、修理となったときに大変なことになります。

 

 

もう1社はトクラスでしょうか。タカラスタンダードに比べると素材の個性は弱めですが、お風呂専用素材「うつくしバスタブ浴槽スターク」を開発しました。水跡が残りにくく、薬品に強く、経年劣化による色褪せもしにくい人造大理石です。今流行りの人造大理石バスタブの中で、一歩先を行っています。トクラスはお風呂専用に開発したスピーカー「サウンドシャワー」もあり、そういった細かいこだわりに元ヤマハらしさを感じます。

 

 

特徴的な面白機能で勝負できる2社

1社はLIXILです。LIXILの売りはオプションの豊富さです。LIXILの商品全般に言えることですが、業界最大手という強みを活かした品揃えの良さには心惹かれるものがあります。

ミドルグレードでもスピーカーやジェットバス、浴室TVはもちろんのこと、シャワー・ド・バスパックシャワーパネルアクアネオパックリラクゼーション照明システムといった面白機能を追加出来ます。やはりLIXILはお風呂一つとっても、万人に受け入れられるように豊富な選択肢を用意していますね。流石です。

ちなみに記事の主旨とは異なりますが、ハイグレードになると打たせ湯・肩湯・オーバーヘッドシャワー・アクアシアターと温泉施設のようなオプションも用意されています。一見の価値ありです。

 

もう1社はTOTOです。ミドルグレードから水中照明、ブルーダウンライト、コンフォートウェーブシャワー(マッサージシャワー)、透明ガラスドア・窓(浴室丸見え構造)、天井高さアップと、面白機能を充実させています。特に水中照明とブルーダウンライト、透明ガラスドアといった悦に入れそうな機能が面白いですね。ミドルグレードに限れば最もオプションの選択肢が多いのではないかと思います。

また、浴室TVやオーバーヘッドシャワー、ジェットバスといったオプションも当然のように用意されており、ほっカラリ床で有名なTOTOですが、その他の魅力も十二分にあります。キッチン同様、元々選択肢として全く考えていなかったTOTOでしたが、知れば知るほど好きになりました。

 

 

際立った特徴はないがバランスのとれた2社

1社はパナソニックです。ハイグレード商品のL-CLASSであれば「オイルヴェール酸素美泡湯」という非常に魅力的で特徴あるオプションを用意しているのですが、ミドルグレードのオフローラには「酸素美泡湯」しかなく、他社のマイクロバブル発生装置と差があるのか不明です。しかしエステケアシャワージェットバス、浴室TV等はしっかり取り揃えており、パナソニックのお風呂の「美容」というコンセプトは変わりません。

 

もう1社はハウステックです。マイクロバブルバス、オーバーヘッドシャワー、ジェットバス、浴室TVと、王道オプションはきちんと揃えています。キッチン比較で安い以外の特徴が見当たらないと言ったハウステックですが、お風呂においても同様の傾向があります。「必要とされるものを必要な分だけ備えている」ハウステックは、悪く言えば面白みがありませんが、良く言えばスマートです。

 

 

必要な機能のみを突きつめたクリナップ

最後の1社はクリナップですが、ここはある意味面白いです。「お風呂に遊び心は不要」と言わんばかりのオプションの少なさです。ジェットバスくらいしかありません。

これはクリナップのお風呂は選択肢がないという意味ではありません。カウンター、カラー、収納棚等は多くの選択肢が用意されており、使い勝手は良さそうです。つまり、「体を清潔にする水場」というお風呂本来の役割だけに集中した機能を持っています。面白機能なんてお風呂には不要なのです。「保温」「手入れの楽さ」「安全性」にのみ心血を注いできた開発姿勢には脱帽です。

 

以上、私がショールームを回った各社について、ミドルグレードで実装可能な面白機能に着目してまとめてみました。各社で似たような商品を用意していると言った「手入れのしやすさ」「快適さ」「デザイン」ですが、ショールームで実際に話を聞くとやはり細かな違いがあって、同じような機能なのに気に入ったメーカーと気に入らなかったメーカーがありました。このあたりはセンスが合う、合わないの世界だと思います。

ホームページやカタログを見て気になったメーカーについては、極力ショールーム巡りをしたほうが良いと思います。

 

次回はトイレについて各メーカーを比較しましょう。