高度情報処理技術者を専門外&業務未経験者が目指した結果

2019年勉強開始、独学です。過去の家づくりや家電記事もおまけに残してあります。

A022【2016/07/23 百年住宅に行ってみた】

 最近は小難しい記事が続いていたので、今回はまったり行こうと思います。

さて、知人から良い評判を聞いたので、百年住宅のモデルハウスに足を運びました。

 

目次

 

鉄筋コンクリート造のメリット・デメリット

百年住宅は「地震に無傷」を売り文句にしているコンクリートプレハブ工法のハウスメーカーです。鉄筋コンクリート造ということで、木造や鉄骨造のような枠組み工法と違い、コンクリートの壁で家を覆うわけです。その頑丈さは想像に難くありません。

 

耐震性 = 言わずもがな

防音性 = コンクリートは音を通しにくい

防火性 = コンクリートは火災程度では燃えない

大空間 = 壁面で支えているので柱がほとんど要らない

 

という優れた特徴を持っています。その代わりと言っては何ですが、

 

調湿性 = 最大の問題。空気中の水分を調節する役割を持たない

調温性 = コンクリートは熱を伝えやすく、外気の影響を受けやすい

重量  = コンクリートは重いので、地盤の強度が必要

 

というデメリットも無視できません。基本的には鉄骨造の性能を更に極端にした感じです。

 

 百年住宅で担当してくれたのは入社2年目の営業マンでした。

以前考察したように、若い社員がモデルハウスの飛び込みを担当している感じです。

A007【2016/07/03 できる営業マンに当たるには?】 - TeruPaPaの家と子どもと健康と

 

 

若いながらもどことなく余裕が感じられ、話もシンプルでわかりやすく、良い印象を受けました。今回はモデルハウスの責任者らしき営業マンも後半は一緒に説明してくれました。

 最初に紹介されたのが、やはり耐震性です。「地震に無傷」というのは、「全壊・半壊だけでなく一部損壊も起こらない」という自信の表れだそうです。

なんと、地震や津波、台風による全壊・半壊に対しては35年保証を実施しています。これは以前私が切望していた攻めのアピールですね。

 

後ほどネットで検索してみると小さな字で「阪神淡路大震災レベルまで」「津波は4mまで」等の制約が書かれていますが、それでも素晴らしい保証だと思います。

ただセキスイハイムで「全壊・半壊ゼロです」と聞いていたので、

「わざわざコンクリート造にしなくても全壊・半壊はしないんじゃないですか?」

と聞いてみました。

 

すると、「実は熊本地震で初めて鉄骨造が半壊したんです」とのこと。

 

「熊本地震では前震と本震があったので、震度7が2回起きました。この2回目の大地震により、非常に多くの家屋が倒壊、大破しました。

この中には強化新耐震基準という現行の耐震等級2に適合した建物も含まれていました。これらの被害は木造に限った話ではなく、鉄骨造でも1棟が半壊、一部損が10棟以上ありました」というのです。

 

 私なりにも調べてみたところ、「国立研究開発法人 建築研究所」というところのホームページに「鉄骨造建築物の調査速報」なるものを見つけました。

http://www.kenken.go.jp/japanese/contents/topics/2016/08-kumamoto.pdf

 

写真も載っていますが、

「これが半壊という1棟か?」

「これで一部損なのか?」

と思わず口に出てしまうほど、住めるような状態ではありません。

 

いつ余震で倒壊するとも知れず、怖くて寝られないと思います。しかも大破した建物には2006年や2008年に建築したものがあるのです。もし百年住宅の営業マンの言っていた建物と私が調べた写真の建物が同じであるならば、写真で「大破」と説明されている建物は「一部損」扱いだということです。恐ろしい現実です。

 

実際のところは私にはわかりませんので、これらの「大破」の建物がせめて「半壊」として扱われていることを願うばかりです。建築研究所のホームページには他にもたくさんの調査報告が載せられていますので、一度目を通されると、地震の怖さを再確認できます。

http://www.kenken.go.jp/)。

 

 このような写真を見てしまうと、「一部損ですら被害を受けては困る」という結論に誰もが至るのではないでしょうか。

私はこの説明を受けただけで、鉄筋コンクリート造に凄い力で引き寄せられました。

 

ただし、木造でも外観上被害の無い建物が多くあることも事実です。私の調べた範囲では「耐震等級3の建物については被害は不明」

となっており、調査範囲内では耐震等級3の建物が無かっただけかも知れませんが、

「木造ではどうやっても大地震に対応できない」

という程のデータは示されていませんでした。

 

結局は震源地や地盤の問題もあり、地盤が隆起したり地割れが起こったりした場合は何をどうやっても家を諦めるしかないので、心配し過ぎるのもどうかという気もします。

 

 防音性はやはり素晴らしいものがありましたが、防音性が高い分だけ室内の音の反響は大きく感じました。私は特に防音室を作りたいとは思っていないので、これはスルーします。

防火性の非常に優れていますが、特別書く程のことはなく、自明なので省略します。

 

耐久性については、通常の鉄筋コンクリートの場合は経年劣化により鉄筋が錆び、コンクリートが割れてしまうという話を良く聞きます。百年住宅の場合はプレハブ工法ですから、工場内でコンクリート内の水分を厳密に管理することで、鉄筋が錆びることを防いでいるそうです。

 

鉄筋コンクリート造の場合、イメージしやすいメリットよりも気になるのはデメリットのほうでしょう。

重量については地盤調査と強化で予め対応できますが、調温性と調湿性の実際のところは建てる前に何としても知っておきたいことですよね。

 

 百年住宅では、温度の湿度の快適性を発泡ウレタンを大量に吹き付けることで実現しています。発泡ウレタンは簡単に調べた限り、3点くらいしかデメリットが見当たりません。

一点目は百年住宅とは関係ありませんが、「木造に少々不向き」ということです。発泡ウレタンは壁材に吹き付けるので、壁材の周りにある木の柱が伸縮したり変形したりしてしまう木造の場合は低密度の発泡ウレタンを使用するしかなく、結局防湿フィルムや通気層が必要になるそうです。

 

二点目は「施工者の技術により品質が変わる」ということです。発泡ウレタンは吹き付けているので隙間がなく、気密性が他の断熱材より優れています。しかし施工者が未熟だったり手抜き工事だったりすると、吹き付けが不十分で断熱が確保できません。ただこれに関しては、一般的なグラスウールでも全く同じことが言えますし、他の断熱材についても同様です。ただしネット上には、「発泡ウレタンは『特に』施工が難しく、施工者の技術の腕が問われる」という意味の文章も散見されます。

 

三点目は「グラスウールの3倍以上価格が高い」ということです。これが最大の問題ではありますが、性能の議論ではない上に、百年住宅ではこれが標準仕様なので割愛します。

 

以上のように、発泡ウレタンというのは非常に優れた断熱材だといえます。色や外観から有害物質を出しそうだなぁと思って調べてみたのですが、安全な物質のようです。

百年住宅の場合、発泡ウレタンをふんだんに用いることによって、鉄筋コンクリート造最大の問題である断熱性と湿気問題を解決しようという訳です。

「断熱できれば、温度差による結露の発生も防げるので、湿気問題も大幅に改善される」と言っていました。

 

百年住宅の家は外観が非常に特徴的ですが、これについては妻が気に入ったのでOKとします笑 あの真っ白で重厚感がある家は誰が見ても百年住宅だとわかります。

 

鉄筋コンクリート造ということで、やはり建築コストは高めのようです。New FORTEという規格住宅の冊子をもらい、その中で何とか気に入る間取りがないかと探してみましたが、私たちは2階浴室やリビングとダイニングのセパレート等のこだわりがある為、残念ながら見つかりませんでした。

ただ私も妻も性能面(特に耐震面)で気に入ったこともあり、現場見学会の予約をしました。そのレビューはまたいずれ書きたいと思います。

 

次回は土地の手続きについて少しお話します。