高度情報処理技術者を専門外&業務未経験者が目指した結果

2019年勉強開始、独学です。過去の家づくりや家電記事もおまけに残してあります。

食洗機の比較に海外製食洗機のショールームに行ってみた

今回のテーマは家事を楽にする素晴らしい家電、食洗機です。

安物買いの銭失いにならないよう、かといって過剰性能で予算オーバーしないよう、しっかり調べていきましょう。

 

目次

 

食器洗いにかける時間とコスト

食器洗いは毎日欠かすことが出来ない家事で、手は荒れる、時間がかかる、水道料金もかかるという何とも厄介な作業です。

 

もし食洗機だけで完全に食器洗いを終えることが出来るのであれば、これほど素晴らしい家電はありません。

三食作っていれば、家族の人数にもよりますが食器洗いだけで1日トータル30分から1時間は要しているのではないでしょうか?

年間で200時間前後に相当します。

 

もし食洗機で食器洗いを自動化出来れば、5年で1000時間、もし10年使えれば2000時間以上の節約になるでしょう。

この時間を子育てに注力できる、休息を取って他の家事に集中できると考えれば、食洗機に50万円(洗剤等の維持費含む)かかったとしても高くないというのが私の考えです。

1000時間を50万円で買えるのであれば、1時間は500円です。時給500円でこれほど働いてくれるものは中々いません。これを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれだと思います。一日に3回、お腹一杯で休憩したいタイミングに、500円やるから毎日休みなく皿を洗え、と言われても私は喜んでやろうという気にはなりません(時々ならまだしも)。

 

日本製と海外製の違い

ではどのような食洗機を選べば希望通りの働きをしてくれるでしょうか。

 最初の分かれ道は「ビルトインか据え置きか」ということです。

新築の場合、据え置きという選択肢はないでしょう。せっかくキッチンを購入するのですから、わざわざキッチンとは別にスペースを確保して、土台や水道管、電気配線の隠し方を考えてまで据え置きを選ぶ理由はありません。

ビルトインのほうが容量も大きくできますから、食洗機に大型の調理器具も入れられるようになります。

「壊れたときに交換しやすい」

「万が一使わなかったときビルトインだと後悔する」

といった考えから新築でも据え置きタイプを選ばれる方がいるようですが、私はナンセンスだと思います。

 

住宅設備メーカーのキッチンは、カウンターの下についている収納場所(引き出しや開き戸の部分)のパーツをカスタム出来るようになっています。それこそビルトインの食洗機を選ぶ方にも選ばない方にも対応できるように、です。

一般にキッチンパーツは幅450mmか600mm単位でパーツ分けされており、ビルトイン食洗機も当然450mmと600mmのタイプに分かれています。

つまり、壊れたときや万が一導入したけど全く使わなかったので収納スペースに変えたいと思ったときも、交換が容易だということです。以上のような理由から、新築の場合はビルトイン一択だと思います。

 

 

ビルトインタイプを導入することは決まりました。次の大きな分かれ道は、「日本製か海外製か」です。

意外と思うかもしれませんが、容量とか洗浄力といった話以前に、日本と海外では食洗機に対する考え方が異なるようで、食洗機の使い方が違います。

 

具体的な話に移っていきましょう。

私なりに色々な製品を比較して調べた結果、日本製の食洗機は「一日に複数回食洗機を使用する」というスタンスです。それに対して、海外製は「一日一回、三食分の皿を一気に洗う」というスタンスです。

 

このスタンスの違いから、洗浄力、静音性、処理時間、食器乾燥の有無等といった明確な違いが生まれています。

わかりやすいよう、日本製トップシェアのPanasonic食洗機の最上位モデル(K7シリーズNP-45KD7W)と、海外製のMiele食洗機の上位モデル(G6300SCU)で比較しましょう。表にしてみましたのでご覧ください。

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考え方の違いは一目瞭然ではないでしょうか?

パナソニック製は一度に6人分、ミーレ製は14人分の食器が洗えます。

ちなみにパナソニックには幅600mmの大型モデルもありますが、容量は62L(7人分)と大した違いはありません。

ミーレの食洗機は実際に14人分の食器を洗うのではなく、調理器具(鍋やフライパン等)を一緒に洗うことを想定してのサイズでしょう。それに対して、パナソニックは取扱説明書にも書いてありますが「1日2回運転」を想定しています。

 

一度に洗える食器量を考えたとき、乾燥機能と価格以外はミーレのほうが優れているように感じます。ミーレの乾燥機能は貧弱で、これより下位のモデル(G 6100以下)にはドアのオートオープン機能(洗浄を終えたら食器が乾きやすいように自動的に扉が開く機能)すら付いていません。

一日の終わりに全部洗うので、寝ている間に乾けば良い、という発想でしょうか。

性能だけを見ると海外製のほうが非常に優れていると思いますが、価格差を考えれば当然とも言えます。価格.com調べですが、ミーレの食洗機が2倍~3倍するようです。

私が実際に見積もりをとったところ、価格.comとほぼ同じ価格でした。

 

 

海外製食洗機を導入すべきかどうか

「この価格差に見合った働きをするのか」が焦点となります。どちらも5年間の洗剤等のランニングコストを10万程度と考えると、パナソニック製が25万円、ミーレ製が50万円と価格差は2倍になります。先程の計算で言えば、

・時給250円だけど大きな調理器具は洗ってくれない

・時給500円だけど大きな調理器具も洗ってくれる

の非常に難しい二択です。

 

また妻はティファールの取っ手のとれる調理器具シリーズを愛用しており、テフロンコートの調理器具は食洗機で洗えるとか洗えないとかインターネット上にはどちらの書き込みもあるのですが、ティファールのホームページで調べてみたところ中性の食洗機用洗剤を用いれば食洗機で洗えるようです。

www.club.t-fal.co.jp

 

ティファールについては何とか確からしい情報が見つかりましたが、ネット上には出所が不確かな情報が溢れていますので、特にこのような家電の場合はどの情報を信じればわからなくなりがちです。

疑わしき情報として「ミーレなら55℃の低温洗浄だから漆器や陶器も洗える、洗っている」等の情報がありますが、ネット上に転がっていたミーレG6100の取扱説明書(特に22, 23ページ)を見ても、そのような記述は見つけられませんでした。このあたりは自己責任ということです。(ミーレ食洗機G6100取扱説明書

https://www.miele.co.jp/pmedia/ZGA/TX2070/9660340-000-00_9660340-00.pdf

 

 「食器の数と収納場所」も問題になります。一日一回の稼動で全ての食器を洗うということは、その日のうちに食器を使い回ししないということです。5人家族で毎朝夕に白米を食べるなら、茶碗は10個必要になります。

食器の数と同時に収納場所も必要になりますから、結果として広いキッチンがなければ海外製食洗機のメリットを活かせません。

 

また、ネット上でミーレを薦められている方の意見として、「食器が入れやすい」「前開き式が使いやすい」等の使い勝手の良さを挙げたものも多いです。

そこで、海外製食洗機の展示をしている地元企業(テイオー産業ショールーム リブラン

)に足を運びました。

ここではミーレ、ガゲナウ、アスコの食洗機を展示しています。

静岡県浜松市でオーダーキッチンをお探しなら re*blanc【リフォーム・浴室・洗面・オーダーメイド家具】

 

 

実際に見てみると、海外製食洗機の収納量は圧倒的でした。

今まで住宅展示場で見てきた引き出し式の国内製食洗機が物凄く小さく、何も入らないように感じてしまいます。鍋やフライパンが楽々入るというのを体感することが出来ました。

 

店員さんの話を聞くと、洗浄力も国内製より圧倒的に優れているとのこと。国内製は底部に噴射ノズルが付いているだけですが、海外製は中段にも噴射ノズルが付いているため、上のほうに置いた食器の汚れもしっかり落ちるそうです。

また肉文化の海外で一日一回運転を基本としているので、乾いてこびりついた汚れや油汚れをしっかり落とせるよう、洗浄機内の高湿度状態を長時間キープし、国内製よりも運転時間は長くなってしまうものの、食洗機に入れる前に食器を浸しておいたり軽く洗っておいたりといった事前準備は不要とのことでした。

 

実機を見るまでは国内製の深型モデルで良いと思っていましたが、すっかり海外製食洗機の虜になってしまいました。

海外3社の比較ですが、洗浄力に大きな差は無いようです。価格的にも、同等の性能の品番であればあまり差がありません。このあたりは実機を見て一番気に入ったものにすれば良いと思いますが、私は「メンテナンス」面を気にしてミーレが一番良いと思いました。

 

その理由は2の記事に書いていますので、興味があればご一読ください。