『TAC ニュースペックテキスト 応用情報技術者』レビュー
応用情報技術者試験の参考書『TAC ニュースペックテキスト 応用情報技術者』の詳細レビューになります。
購入検討にご活用いただければ幸いです。
目次
基本情報
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ニュースペックテキスト 応用情報技術者 平成30・31年 (情報処理技術者試験)
- 作者: TAC情報処理講座
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2018/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まずこの参考書を読み始めた時点での筆者のステータスですが、
・情報系は専門外&業務未経験(プロフィール参照)
・参考書を読み始める1週間前から勉強を始め、その1週間でITパスポートの参考書を1冊読み終えた → ITパスポート試験は合格圏内に
・もちろん無資格
です。つまり、情報分野においてど素人に毛が生えた状態でこの参考書を読み始めたことになります。
では早速参考書の話に入りましょう!
サイズ(実寸):21cm × 15cm 厚さ3.5cm
重さ(実測):875グラム
ページ数(索引等を除く):681ページ
→分厚い&重いため、これを持ち運ぶのは少々骨が折れます。片手で読むのは止めたほうが良いでしょう。すぐ手首がやられます。
内容的にもどこか落ち着ける場所で読んだ方が良いと思います。
構成:文章少なめ、図・表多め、全12章 + 過去問 1回分
文章:ITパスポートの勉強をしていれば十分理解できる。
→完全な初心者には少々優しさが足りない。文章は意外と少ないので、ページ数の割に早く読み進められる。
1周読むのにかかる時間:45時間
→このうち章末の過去問にかかる時間は解説も含め10時間
問題:各章の章末に午前試験対策用の問題あり。
午後試験がある章では午後対策用の知識を掘り下げるためのページがあるものの、問題形式ではない。
→午後試験に対しては章末の過去問しか問題がない。
内容:午前試験対策はこの一冊で十分。午後試験対策には問題数が少ないので慣れることが出来ず不安
ネットの評判が良かったため購入したこの参考書ですが、評判通りの良書でした。
情報系が専門外&業務未経験ですが、ITパスポートの参考書を1冊読み終えた後の私では、3週間で35時間かけて全12章を読み終え、その後1週間で10時間かけて章末過去問1回分を解きました。
具体的には、
第1章:コンピュータ科学基礎 2時間
第2章:アルゴリズムとデータ構造 4時間
第3章:ハードウェア 2時間
第4章:ソフトウェア 2時間
第5章:システム構成技術 3時間
第6章:データベース 3.5時間
第7章:ネットワーク 4時間
第8章:セキュリティ 3.5時間
第9章:システム開発 3時間
第10章:マネジメント 2.5時間
第11章:システム戦略と経営戦略 3時間
第12章:企業活動と法務 2.5時間
章末過去問:午前試験 2.5時間 正答率85%
章末過去問:午後試験 7.5時間 全体で正答率55%、得点が高い上位5設問では70%
このような時間がかかりました。
この参考書の勉強予定を立てる際の参考にしてください。
章末の午前試験では正答率85%でしたが、その翌週に応用情報技術者試験ドットコムにて過去問を1回分解いたところ、所要時間2時間で正答率86.3%でした。
感覚としては、この本を1周読んだ知識だけで午前試験は十分合格可能だと感じました。
午後試験については、初めて解いたので問題の出し方に慣れなかったり、データベースについては全く理解できておらず解説を読んでもわからないことが判明したり、かなりの衝撃を受けましたが得点率が高かった5問を選べれば正答率70%程度でおそらく合格圏内でした。
(午後試験は文章記述式の回答も多く、部分点があったり得点配分がよく分からないので、解説を読んだ上での自分なりの判断基準で厳しめに採点しました)
しかし実際はその5問を時間内に正しく選べるか訳がないということ、各設問に30分近く費やしてしまい、本番では問題選びの時間を差し引くとタイムオーバーになる可能性が高いことを考慮すると、この本を1周読んだだけで午後試験に合格するのは運が良くないと難しいと感じました。
午後問題を初めて解いた感想としては、やはり慣れが必要だということです。
解説を読むと
「こんなフワッとした回答で良かったの!?」
となることもちょこちょこありました。
データベース以外は解説を読めば理解できたため、午後試験を解くための知識が不足しているというよりも、
「慣れていないので回答の仕方がわからなかった」
「何に気をつけて回答すべきかわからなかった」
というのが正直なところです。
応用情報技術者試験のネット情報では、
「午前試験の問題は使い回しだから過去問数年分やっとけば合格点に届く」
ということがよく書かれています。
それはその通りなのかもしれませんが、先に申し上げた通り午後試験では午前試験より難しい知識が問われているわけではありません。午前試験と同レベルの知識を、使いこなせるかを確かめるための試験です。
つまり、ただの暗記ではなく内容を理解しているかが重要になってきます。
その観点から行けば、午前試験対策のために過去問を何回分も解くよりも、45時間かけてもこの本を1周読んだ方がよっぽど午後試験の合格には近道なのではないかと思います。
午前試験対策のために過去問を解くと、回答するだけで2時間弱はかかります。正答率が低いうちは間違えた問題の解説を読んで覚えるためにプラス1時間くらいかかるかもしれません。
正答率が低いうちは勉強時間が長引くだけでなく、メンタルが強くないと継続する気が削がれていきます。
「とりあえず過去問戦法」は
元々知識がある人、
本当に時間がない人、
資格取得が目的で知識が身につくかどうかはどうでも良い人、
そしてメンタルが強い人
向けの勉強方法です。
午前試験の過去問を一回解くのも中々大変ですから、やはり私は過去問ではなく参考書から手をつけることをオススメします。
総評:買いだが、この一冊では試験対策として不十分
まだ受験前ですので偉そうなことを言って落ちたら笑えないのですが、この参考書だけで午前試験はほぼ確実に合格できそうです。
ただし、午後試験はこの参考書を使って初めて解いてみた結果、かなり慣れが必要だと感じました。この参考書には1回分の過去問しかありませんので、午後試験に慣れようと思ったら全然足りません。
内容としては、ITパスポートの参考書を1周読んでおくとそこまで苦労することなく理解していけると思います。ITパスポートの参考書は8時間程度で読み終えられるので、是非読んでおいた方が良いでしょう。
この参考書を読み終え、章末の午前試験が意外と正答率良く解けたところで、
「専門外だった自分が早くも専門家みたいになってきちゃった!?」
「応用情報技術者って1ヶ月の勉強で素人でも合格できちゃう!?」
と調子に乗りました。
しかしその後の午後試験でボコボコにされ、
「やっぱり1ヶ月じゃ厳しいか。スキルレベル3だもんな…」
「午前問題が解けても結局知識が活用できないんだから、所詮付け焼刃の役立たずか…」
と正気に戻りました。
ということで、私は午後試験の対策用として問題集を一冊購入しました。
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2019応用情報技術者午後問題の重点対策 (重点対策シリーズ)
- 作者: 小口達夫
- 出版社/メーカー: アイテック
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こちらは現在解いている最中ですので、また読破したところでレビューを書きたいと思います。