高度情報処理技術者を専門外&業務未経験者が目指した結果

2019年勉強開始、独学です。過去の家づくりや家電記事もおまけに残してあります。

応用情報と電験三種、どちらが難しいか

工業高校なんかですと、応用情報技術者や電験三種に合格すると表彰されたり、学校のホームページで宣伝されたりするみたいですね。

 

私は応用情報と電験三種の両方につい最近(2019年、2020年)合格しました。

情報は専門外、電力も専門外、大学時代は材料が専門でした。

 

仕事も情報、電力とは無縁なことをしています(材料合成)。

 

そんな私が紆余曲折を経て応用情報技術者を目指すようになり、ノリで第三種電気主任技術者も目指したわけですが、個人的な難易度に関する感想を述べさせていただきます。

 

【最初に結論】

勉強時間が少なくて良いのは 応用情報技術者

勉強時間さえあれば良いのは 電験三種

 

1年で取ろうと思ったら難しいのは 電験三種

何年かけても落ちるかもしれないのは 応用情報技術者

 

です!

 

 

【各試験の特徴】

①電験三種

・変化が少ない分野である(法規はたまに改定される)

・試験範囲が膨大で公式や用語の暗記量が多い

・選択問題しかない

・3年かけて4科目取れば良い

・当該分野のファーストステップにあたる試験である

(電験三種⇒二種⇒一種)

 

②応用情報技術者

・最近のIT動向をテーマにした問題が良く出題される

・試験範囲は広いが用語の暗記量は少なく、公式に至ってはほぼない

・記述問題がある

・一度の試験で午前、午後の両方に合格しなければならない

・当該分野のサードステップにあたる試験である

(ITパスポート⇒基本情報⇒応用情報⇒高度試験区分)

 

 

【電験三種の難易度】

・難しいところ

一番はひとつ前のレベルの試験がないことです。一応電気工事士はありますが、実技がある上に過去問の勉強だけで筆記は合格できるあたり、かなり毛色が違います。

そうなると、初っ端から電験三種に挑まなければならないわけです。

正直、試験範囲の膨大さと暗記量の多さから、挫折する人が滅茶苦茶多いと思います。

特に社会人にとって、そんな勉強時間を確保すること自体が大変です。

 

・簡単なところ

一方で、覚えなければならない知識は古くからあまり変わっていません。多少、新しい方式や新しい機器が出てきたりするでしょうが、大した影響はないです。テキストを読む、問題集を解く、過去問を解くといった学校のテスト的な勉強スタイルで問題ありません。3年かけて取得するつもりなら、1年目で頑張って2科目合格しておけばかなりハードルが下がる点も見逃せません。

工業高校の一年生で電験三種を受けよう(申し込みは入学して一か月後)という人は中々いないと思うので、高校生の取得者は2年か1年で合格していることでしょう。そういった点では、高校生がこの資格を取得するのはなかなか大変だと言えると思います。

 

 

【応用情報技術者の難易度】

・難しいところ

何より、専門分野に特化したら合格できるわけではない、という点です。情報セキュリティ、プロジェクトマネジメント、経営戦略など、様々な視点や知識が必要とされます。しかもITは進歩が非常に早いなので、時代に合わせて問題の内容が変わっていきます。過去問とは全く違う傾向の問題が出ることもあります。文章読解力が重要になり、記述問題もあるため、理系特化だと苦戦します。勉強の仕方が間違っていると『何回も落ちる』可能性があります。

 

・簡単なところ

まず暗記量が圧倒的に少ない点は大きな魅力です。午前試験は過去問だけで合格できます。しかも、難易度の低いITパスポートから順番に取得していけば、無理なく全体的な知識を習得できるうえ、モチベーションも保ちやすいでしょう。

文章読解力が重要と言いましたが、つまりは国語のテスト的な部分があるので、「常識で解ける」と言い出す人が出てきますし、これは事実でもあります。普段から文章を読み慣れている人にとっては、セキュリティやプロマネの文章は突っ込みどころが非常に明瞭だったりするので、全然プログラミングは出来なくても受かる人が一定数出ます(私も情報分野の技術・経験は特にありませんが合格できました)。

 

 

【つまり】

勉強時間が確保できそうで、暗記勝負に持って行けるなら電験三種のほうが簡単です。

国語が得意でコミュ力や文章読解力があるなら応用情報技術者のほうが簡単です。

 

 

私は学生時代、数学・英語・国語が得意で、理科と社会が苦手でした。つまり暗記科目が出来ませんでした。というのも、私は「勉強で2周する」というのが退屈でたまらず、一回読んだら終わりにしてしまうタイプでした。結果としてテスト本番で記憶があやふや、1年後には記憶から消去されている、という体たらくでした。

そんな私にとっては、応用情報技術者のほうが取りやすかったかもしれません。

でも正直に言って、選択問題のみで合格できる電験三種も、試験自体は難しいとは感じませんでした。(ただモチベーションの維持が本当にきつかったです)

 

 

受験者の層を考えると、電験三種のほうが取得しやすいという扱いになるのでしょうね。国家資格ランキングなんかで軒並み応用情報のほうが難易度が高く設定されているのは、電験三種より総合力が求められるからでしょう。

ただ業務独占資格である第三種電気主任技術者のほうが、圧倒的に食える資格ではあると思います。

一方で、応用情報技術者は現代の(会社勤めの)社会人にとって必要なスキルを満遍なく学べるという意味で有意義です。

 

電気主任技術者が関わる業界でないならば、応用情報技術者をオススメします。